エアバッグで脊椎を守る
いろいろな製品がリリースされ、ラインナップも充実してまいりました。個人的にもイチオシ装備!
しかし、安全性を考えると選択肢は狭まります。
・・・バイクレースに出るのであれば、否、走行会やツーリングであっても必須と考えます。首、脊椎を損傷したあと、誰があなたを、誰があなたの大切な家族を養ってくれるのですか?
・・・これはこれでカッコいい装備、と私は思うので!
10-2-1-8 胸部を保護するプロテクションの装着が義務付けられる。チェストガードは、以下の仕様を満たし、レーシングスーツとは別体式とする。
胸部プロテクションは衝撃緩衝効果のある素材でなければならない。胸部プロテクションの保護範囲は、心臓/肺への衝撃を緩衝する形状でなければならない。
現時点において、エアバックの装着に関する規定はありません。しかし、サーキットにおいてはエアバッグの装着を推奨する動きも出てきています。筑波サーキットのレース(テイストオブフリーランス、ツーリストトロフィー)においても装着率は年々上がっているなあ、との筆者の印象です。
筆者の個人的感想として、とにかく素晴らしい効果を発揮します。
首、脊椎の損傷は致命的な影響をあなたに及ぼします。もしあなたが趣味のサーキット走行で転倒し、首や脊髄に致命的な損傷を負ったとしたら。
あなたの介護をしてくれる人はいますか?あなたの家族を養ってくれる人はいますか?
いませんよね。たかが趣味で人生を棒に振ってはいけないのです。
もちろん、エアバッグが100%あなたを守ってはくれません。しかし、そのリスクを減らすことはできます。
エアバッグの有効性:助かった体験談
実は、筆者はサーキットで3回、このエアバックを作動させたことがあります。
そのうち、最も危険、かつエアバックの効果を体験できた例をご紹介しましょう。
場所は筑波サーキット、裏ストレートエンド。そう、筑波サーキットで最もスピードが出るところです。当時私のマシンはノーマルキャブだったこともあり、それほど速いマシンではありませんでしたがそれでも130km/hは出ていたはずです。
アウト側を走っていて最終コーナーにノーブレーキングでアプローチししようとしていた私と、アウトから私をパスしようとしたとあるライダーさんとラインが交錯しました。2台はほぼ並んだ状態で接触し、悪いことに噛みつき現象(お互いのハンドルが相手側に向いて固定されてしまい、絡んだまま振りほどけない状態)に陥りました。全く減速できずマシンはクラッシュパッドへ一一直線。私はそのまま背負い投げの状態で前方へ放り出されました。
少なくとも10mは飛んだはずです。そのままグラベルの上に叩きつけられました。
しかし・・・
私は全くのノーダメージでした。
大抵このような転倒をすると、しばらく打撲の痛みとショックで動けないものですが全くそのような衝撃を受けなかったのです。
エアバッグは完璧に開き、私の首と胸、背中、お尻をカバーしてくれました。
誤解を恐れずに言えば、転がりながら思ったことは「まるで布団の上を転がっているようだ」でした。
エアバッグのお勧めは?
いくつかのメーカーから販売されていますが、実績のあるものを選ぶべきです。
そして、廉価版にありがちな「首だけを守る」ものではなく、首、胸、脊椎、お尻をすべてカバーしてくれる製品を選択すべきです。
日本におけるバイク用エアバックの老舗と言えば「無限電光 株式会社」の「hit-air」シリーズ。筆者も愛用しています。
いくつかラインナップはありますが、以下がお勧め。
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エアバッグのランニングコストは?
2万円後半から4万円前半という、確かに安くはないお値段。
そのランニングコストは?
実は意外にもリーズナブルで、作動したエアバックはその気室(エアが入るチューブ)が破損しない限り、
- ガスを追い出して
- 展開したポケットを畳んで
- ガスボンベを交換する
だけで再利用できます。そのガスボンベ、千円ちょっとで購入できます。
エアバッグによってサイズが異なります、ご注意を(50cc又は60cc)。値段は一緒です。
そして、仮にエアチューブに穴が空いても、3Mなどの強力ポリエチレン用粘着テープでやろうと思えば修理できちゃうんですよね・・・あ、これは自己責任でお願いします。メーカーに出せば修理してくれますから。