バイクのすべての動きに良い影響を与える軽量化。リチウムイオンバッテリーならば2.3kg減量できる!
よりスポーティーにバイクを操りたい!それがサーキットであっても、街乗りであっても。
腕を磨くことはもちろんとして、軽量化は極めて効果的な挑戦です。加速、減速、コーナリング。すべてのバイクの操作に対して軽量化は必ず「よい効果」をもたらします。まず最初にやるのはあの重い純正マフラーの交換。チタンエキゾースト・カーボンサイレンサーのマフラーは、純正に対し10kg近い軽量化が期待できます。
次に手を付けるのは?チタンボルト?マグネシウムエンジンカバー?いや、高すぎて手が出ない!
そこでお勧めなのが「バッテリーの交換」。最近、筑波レーサーに注目されているのが通称ドライバッテリー、「リチウムイオンバッテリー」。
その重量、なんと0.7kg!
純正のMFバッテリーは3.0kgですから、実に1/3以下。
AZシールド型 バイク用バッテリー [ LITHIUM ] ITX9-FP
リチウムイオンバッテリーとは。
旧車でよく見る「開放型バッテリー」や最近のバイクが純正で装備している「MF(メンテナンスフリー)バッテリー」が大量の希硫酸を内蔵しているのに対し、リチウムイオンバッテリーは全く液体を使用していないことが大きな違いです。
リチウムイオンバッテリーはバイクパーツショップでも大きな売り場面積を占めており、マニアなバイク乗りから大きな注目を浴びていることは間違いありません。
正式な名称は、リン酸鉄リチウムイオン電池。
リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を使用しており、リフェ、リチウムフェライト、リチウムイオンなどと呼ばれています。したがってバッテリーメーカーによっては
- リチウムフェライトバッテリー
- リチウムイオンバッテリー
と異なる名称で呼ばれていますが、私が調べた限りではバイク用として「まともに売られているバッテリー」(以下で紹介している2製品)はすべてこのリン酸鉄リチウムイオン電池です。
とにかく軽い
通常のバッテリーが内蔵している電解液(希硫酸)を使用しないため、非常に軽く作ることができます。具体的には、Ninja250SLが純正で使用している「YTX9-BS」MFバッテリーがおよそ3.0kg。対してリチウムイオンバッテリーの代表格、AZバッテリーの「ITX9-FP」は0.7kg。片手でひょいっと持てるくらいの重さしかないのです!
バイク用として流通しているものは安全
気になる安全性ですがこれは問題なく、本体を釘などで貫通させても発火しにくいというレポートもあります。
自然放電が少ない
MFバッテリーやリン酸鉄リチウムを使用していないリチウムイオンバッテリーと比較して、寿命が長く自然放電、劣化が少ないのです。
ヤフオクなどで販売されている激安リチウムイオンバッテリーは、安全性や性能に不安があります。トラブルも多くネットに転がっています。たんなるラジコン用バッテリーを繋いだだけの粗悪品もある様子。
バイクはガソリンを積んでいますから、発火してしまったら大変なことになります。ぜったいに激安リチウムイオンバッテリーには、手を出さないように!
バイク用としての流通量は恐らく1位、AZバッテリー
岡田商事株式会社の独自ブランドであるAZ。その意味は「AからZまで、つまり使用初めから最後までハイパワーを維持する高性能製品」とのこと。
(AZバッテリー公式サイトはこちら)
バイク用、車用、産業用のバッテリー及び充電器をラインナップしています。
その特徴は
恐らく一番売れているリチウムイオンバッテリー
あちこちのお店で目にします。特に力を入れているのが「にりんかん」で、ほぼ全種類、そして専用充電器を在庫しています。
丁寧な顧客対応
一度だけ、充電不能になってしまったことがありますが、極めて丁寧なサポートを頂きました(あとで詳しく書きます)。
LEDインジケーター付き
バッテリー上面にLEDインジケーターが付いており、バッテリーの状態が一目でわかります。
バッテリー内部にBMSを搭載
BMS(バッテリーマネージメントシステム)がバッテリー内部に搭載されており、各セル電圧のばらつき制御を行い、バッテリーを安定的に保ちますので、バッテリー寿命を伸ばします。
12ヵ月または2万㎞ 製品保証
購入してから12か月、または走行距離2万kmまで製品保証を受けることができます。これは安心ですね。
※購入方法によって差があるかもしれません、ご注意ください。
AZバッテリー激安で買う
面白いもので、購入方法によってこんなに値段が変わるんですね・・・。
「にりんかん」で大きな売り場が作られている流通量は恐らく最大のリチウムイオンバッテリー。もちろん、Amazonでも購入できます。その値引き額は驚きの20%オフ、ぶっちぎりの低価格。ちなみに「にりんかん」ではほぼ定価販売です。 |
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価格は残念ながらAmazonには届かず。しかし、Webike会員なら1,780円分、9%分ののポイントが付きます。 |
とにかく安い!スカイリッチ
Skyrich Powersportバッテリー。南カリフォルニアに本拠を置くバッテリー専門のグローバルカンパニーです。オートバイバッテリー、ATV電池、スノーモービルバッテリー、芝刈り機のバッテリー、クワッドバッテリー、スクーターバッテリーを供給しています。
(AZバッテリー公式サイトはこちら)
オフロード乗り、特にレーサーに乗られている方に(なぜか)非常に人気がありますね。
その特徴は
目が痛くなるような蛍光グリーンのカラーリング
とにかくハデ。AZバッテリーの地味な黒いボディを見た後だと特にそう感じます。川崎ワークスマニアなら見逃せない?
AZバッテリーとほぼ同等の軽量さ
通常の鉛蓄電池の1/3、ほぼAZバッテリーと同一の軽量さ。
LEDインジケーター付き
なんか、AZバッテリーと全く同じユニットに見えます・・・。。
BMSを搭載
スカイリッチもBMS(バッテリーマネージメントシステム)に相当する基盤がバッテリー内部に搭載されているそうです。
スカイリッチバッテリー激安で買う
安い!AZバッテリーよりもさらに5,000円の安さ。これで2.3kg軽量化できるのですから、恐ろしい話です。 |
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価格は残念ながらAmazonには届かず。Webike会員ポイントも146円分、わずか1%なり。 |
デメリットは?
安くて軽くていいとこばかりのように見えるリチウムイオンバッテリー。でも、弱点はあります。
後付けの電装品をつけている場合に、トラブルが多い
レース派・スポーツ派ライダーには最適といえるリチウムイオンバッテリーですが、ツーリングライダーには少々厳しめのハードルがあります。それは後付けの電装品がある場合、過放電によるバッテリー上がりのケースが見受けられるということ。
AZバッテリーはメーカーのサイトにもこんな記載があります。
○下記車両にはご使用できない場合がございます
- GPSナビゲーション、グリップヒーター等の電装パーツを装備している車両
→なぜ?充電が不十分になる場合がございます。
- エンジンカスタム、その他改造している車両
→なぜ?バッテリー容量が不足する場合がございます。
専用の充電器が必要
そしてバッテリーを上げてしまっても、街のバイク屋に駆け込んで・・・というわけには行きません。専用の充電器が必要だからです。
とはいえ、大容量の電力を使う後付けの電装品を使用していなければ、トラブルは稀です。
極めて個人的なインプレッション
アマチュアレースとはいえ、それぞれのライダーは自分の持つ技量、時間、お金をでき得る限り費やして少しでも前へバイクを進める努力を怠りません。そう、ワタシのようなブルーフラッグとお友達のライダーでもです!
私はSRX250、そしてNinja250SLと2台の市販車改造レーサーを所有してきましたが、それぞれのバイクにAZバッテリーを装着しています。
その理由はもちろん軽量化。
バイクの軽量化はまず不要なパーツを取り除くことから始まります。レースで使用しないバックミラー、各灯火類、スピードメーターの取り外し。そして不要なステー類のカット。SRX250に至っては発電機も除去しています(バッテリーは自宅で充電して走る。電池が切れたら終わり、ミニ四駆みたい)。
そして、やることをやり切ってからのさらなる軽量化は極めて困難です。
バッテリーを純正からリチウムイオンバッテリーに取り換えることは極めて容易でかつ効果の高い方法でした。
前述のとおり、SRX250は充電器を撤去していますからレース・練習前に充電器(専用です)で充電し、走行中は放電しっぱなし。走行後に再度充電、というバッテリーとしては厳しい使われ方をしたにもかかわらず、トラブルはほとんどありませんでした。
一度だけ再充電不可になってしまったことがあります。その際、レースによる使用であることを明記したうえでメーカーである岡田商事さんにご相談しました。公道による使用でないにも関わらず丁寧にご対応していただき、お送りしたバッテリーを再充電し使用できる状態に戻してくださったうえで返送してくださいました。
そのバッテリーは私がSRX250を降り、Ninja250SLに乗り換えるまでノートラブルで活躍しました。
Ninja250SLに乗り換えた私がまたAZバッテリーを購入したのは、言うまでもありません。