ステッププレート基部が曲がっちゃいました。
2017年4月の転倒は私の体に右鎖骨骨折というダメージを与えただけではなく、NINJA250SLのフレームにまで影響を与えていました。
とはいえ、ひん曲がったのはステッププレート基部。
袋状に溶接されたこの部分、まあモナカみたいなものですから、レーシングバックステップの強靭なプレートと固定ステップバーに負けてしまうのも無理はない・・・ないのかなあ。
大がかりなフレーム修正機があればここを引っ張り出せるのかもしれませんが私はそんなものは持っていません。
また、裏から叩こうにも袋状の構造が災いしそれもならず。
無理に引っ張り出してねじ穴にダメージを与えても困りますから、ここはテーパー状のスペーサー(シム)を作って修正しましょう。
こんなふうに、マスターシリンダーとスイングアーム(マッドガード)が接触しちゃいました。
ご覧くださいこの体たらく。正直、危ないです。整備不良です。
赤丸部分でリアのマスターシリンダーとスイングアームのマッドガード&取付ボルトが接触しています。
マシンのシートをいくら押してもここまでは押せませんから、気が付きませんでした・・・「5月20日。筑波ツーリストトロフィー6月場所参戦、Ninja250SLを仕上げるぜ。」の整備で、スイングアームのグリスアップをして初めて気づいた次第。
アマチュアとはいえ、レースマシンを扱うものとして心から、反省します。
こんな不具合が原因で転倒して他車にご迷惑をお掛けしては・・・そうなる前に気づいて本当によかった。
旋盤で穴をあけて・・・
まず、使用するのは旋盤。
ああっ、かなり反則ですね。私は金属加工マニアなものでこの手の加工機を一通り所有しちゃってたりします。
とはいえ意外と敷居は低く、いまや家庭用(?)卓上旋盤なんてヨシムラマフラーくらいの金額で、しかもAmazonで買えちゃったりするんです。
まあこの世界(アマチュア金属加工)の世界も、サーキットランくらい深い沼ですから入るときはきつけて・・・入りたい方は「沼の入り口(笑)」をご参考にどうぞ。
でも、レーサー作るときには卓上旋盤がひとつあると(ひとつあればいいんですが)本当に便利ですよ。
フライスでテーパーを付けて・・・
そして旋盤よりさらに深い沼であるフライス盤でテーパー加工をします。
このテーパー角を調整し、曲がったプレートの修正を行うわけです。
最後に突っ切れば・・・テーパーシム完成!
こんなテーパーシムが出来上がります。2つ作りました。
グラインダーとドリルでも似たようなものはできるかもしれませんが、この精度はさすが卓上器といえど加工機ならでは、です。
この角度が甘いと(そろっていないと)隙間が空いてボルトが緩みやすくなってしまいます。
取り付けます!
削り出したテーパーシムを挟んで、バックステップを取りつけます。
入念に角度を計測しただけあって(ウソ、目分量)、びしりと車体進行方向に水平にプレートの位置が出ました。
念のためボルトには緩み止め剤を入れておきます。
シングルエンジンはホントあちこちのボルトが緩みますから。私もステップバーを落としかけて練習走行をフイにしたことがあります。
ばっちり、これなら接触しません。
ステップをテーパーシムを挟んで取り付けて、確認。
うん。接触していたマスターシリンダーとマッドガード取付ボルトの間に5mmくらいのクリアランスが確保されました。
これでフルボトム付近のスイングアームの動きもばっちり。
さぞ筑波の1コーナーで、このスイングアームとYSSサスペンションは動いてくれるのでしょう。恐らくミズスマシのようにNINJA250SLは走ってくれるはず!
オチ。
以上でおしまい・・・と思ったら。
気になって「筑波ツーリストトロフィー」の「特別規約書」を確認したら。
32.スプロケット・チェーンカバー(ガード)
フロントスプロケットガードが装着されていなければならない。
また、チェーンとリヤスプロケットの間に、身体の一部が誤って挟まれることの無いように、リヤスプロケットガードを取り付けなければならない。
主に樹脂製のチェーンカバー (チェーン上側に取り付けてある物)の取り外しは自由とする。
主に樹脂製のチェーンカバー (チェーン上側に取り付けてある物)の取り外しは自由とする。
なーんだ、接触してたマッドガードとボルトごと撤去すれば解決だったかも・・・ま、まあステップは真横向いてた方がいいに決まってるからやった価値あるよね!
おあとがよろしいようで。
モデファイはもう少し、続きます。