NINJA250SLのフロントブレーキを強化してみよう。

これがNinja250SLのノーマルフロントブレーキ、です。

 

ウェーブディスクがついていて一見、ゴージャスに見えるんですが。

 

ブレーキキャリパーは片押しスライドピストンタイプの2ピストンです。街乗りであれば軽量な車体と合わせて、必要十分な制動力を発揮するのでしょう。

 

でも、サーキットランを考えると少々不安になるところではあります(異論は認めます、実際に知人のテイストライダー曰く、パッドとローターを変えればサーキットランも十分こなせるそうです、ただし「開いちゃう」のでキャリパーは消耗品、だとか)。

 

ということで、SRX250で愛用していたYZF-R1のマスターシリンダー、そしてTZRキャリパー(ズィクーパッド付き)に交換しちゃいましょう!

 

・・・ふつうはブレンボとかチョイスしますよね(笑


サポートを自作しちゃいましょう

実は私、自宅にマシニングセンタを持っているんです・・・

 

少々大袈裟ですね、自作でCNC化したフライス盤と旋盤を所有しています。

 

このあたりのお話はコチラのサイトをご覧ください。

 

 

フリーのCADを使用して図面を引きます。


コンピューター上でシミュレーションします。

続いてコンピューター上で切削シミュレーションを行います。

 

私得意の一枚板タイプで構成します。

 

この方法ですと構造が単純でかつ、取付カラーでスラスト方向の位置を決めやすいのです。


削ります。

使用する材料は「2017」というアルミ合金。

 

いわゆる「ジュラルミン」というやつです、厚さは10mmをチョイス。

 

鋼鉄並の引張強度を持ち、しかし軽いというバイクカスタムには最適な材料なんです。


削りあがりました。

切削が完了しました。

 

このように、まるでプラモデルのパーツのようにジュラルミン板から削り出されます。

 

ぱちぱちとニッパで切り出し(ホント、プラモデルのようだ)、バリを削ります。

 

カラーを旋盤で切り出せば・・・


完成です。

はい、Ninja250SL用、TZRキャリパーサポート完成です!

 

この組み合わせは間違いなく世界レベルで私一人でしょう(笑


組み付けました。

正確な採寸のおかげでばっちり組みあがりました。

 

きちんと整備したTZRキャリパーは回転抵抗もすくなく、フロントを浮かせた状態でホイールを回すと楽々3回転以上まわります。

 

純正で何も手を入れていないベアリングを整備してきちんとグリスアップ、ならせば5回くらいは回りそうです。レーサーはこうでなくちゃ!

 

この状態で筑波サーキットを走行しましたが素晴らしい効き、コントロール性能です。

 

さあ、あとはこいつを生かす腕を磨きましょうか!


ということで・・・

今回はちょっと敷居高めの記事です。

 

が、程度の差こそはあれ、250ccレーサーはこのように「自分の手でいじる」楽しみが少なからずあります。

 

もちろん、公道の常識のはるか先のスピードで走るサーキット、安易な改造はダメです。

 

でも、たとえばマフラー交換やバックステップ交換。

 

ブレーキキャリパーの掃除。フルードの交換。

 

サービスマニュアルを熟読し、経験者の指導を頂きながら自分でできることも確かにあります。

 

ぜひ、少しずつでかまいませんから「俺の戦闘機」の整備にチャレンジしましょう!

関連記事