NINJA250SLのチェーンを415に変更しよう!(サーキット専用チューン、公道厳禁!)

まずは、この動画をご覧ください。

 

 

どーです?ちょっとすごくありません?

 

かれこれワタシ、かなりの期間、かなりのマシンを乗ってきていますがここまでリアホイールがクルクル回るマシンは見たことがありません。しいて言えば、ノンシールチェーンを投入したモトクロッサーくらいでしょうか?

 

私のNINJA250SLはサーキット専用マシンです。当然、ワタシの腕がアレで出るレース出るレースブルーフラッグとの争いが得意な最下位ライダーだとしても、もちろんそのマシンを可能な限り前に進める努力を怠ってはならないのです!

 

ということで、この軽量なNINJA250SLの特性を生かすべく、低フリクション化に手を出しました。

 

NINJA250SL。

 

スペックの割にはかなりの低コストなマシンです。

 

したがって割り切られた作りがあちこちに見られるのは否めません。特に筑波サーキットのアマチュアレース、筑波ツーリストトロフィーのNS2クラスの決勝スターティンググリッドにおいてマーシャルさんに

 

コイツのノーマルチェーンはだめだよ!

 

と指摘されるくらい(実話です)、アレなんだそうです。

 

で、1年使ったチェーンを外してみるとこんな有様。

 

 

これ、それなりにちゃんとメンテしていてコレなんですよ・・・(ウソ、最近は放置してた。ちょと錆が・・・)。

 

ということでさくっと今はやりの415チェーンに交換しましょう。

注意事項です。公道では絶対に使わないでください。

 

使用するチェーンは「RK GB415HRU」。

 


RK アールケー TAKASOGO CHAIN/GBレーシングゴールドチェーンシリーズ GB415HRU

RK アールケー TAKASOGO CHAIN/GBレーシングゴールドチェーンシリーズ GB415HRU 汎用

 

ちなみにリンク数は130コマ(私の場合)。

 

このチェーンはRKがリリースするレーシングチェーンで、2016年1月にメーカーテストの結果

 

  • CBR250R
  • CBR300R
  • RS125
  • NSF250R
  • YZF-R25
  • TZ125
  • Ninja250
  • Ninja250R
  • Ninja250SL

 

等の小排気量シングルエンジンが「ロードレースでの使用」を前提に、指定排気量に追加されました。

 

したがって、公道での使用は一切NGです。走行中のチェーントラブルは死亡事故にも繋がりかねません、絶対に公道走行車への装着はおやめください。

 

また、ロードレースにおいてもどんなトラブルがあるやもしれません。レースの世界は自己責任が前提です。なにあっても私は責任を一切取りません、なにとぞよろしくお願いいたします。


まず、ドライブスプロケットを変更します。

 

8mmのボルトを2本抜き取り、ドライブスプロケットカバーを取り外します。

 

奥まったところにありますから、ロングソケットとTレンチを使用します。Tレンチ、大好きです。私はラチェットはほどんど使いません。

 

ちなみに最近の筑波ツーリストトロフィーでは、ドライブスプロケットカバーは装着必須です。

 

 

ドライブスプロケットカバーを外すと、ドライブスプロケットが姿を現します(当たり前だ、別のものが現れたらびっくりだ)。

 

ドライブスプロケットは薄い金属の回り止めで固定されています。回り止めは一部が折り曲げられており、ドライブスプロケットを締め付けているナットの緩みを防止しているわけです。

 

このままではナットを緩めることができませんから、マイナスドライバーでこの「折り曲げ」を起こします。

 

 

ある程度まで起こしたら、Tレンチの柄など、先端が平らなものでたたいた方がきれいに「折り曲げ」を起こすことができます。

 

 

ここまで来たら、単なる「めちゃ固いナットを緩める」作業です。

 

ただ、手持ち工具での緩めは難しいでしょう。ナットの高さが低いため、メガネレンチが滑って場合によってはナットを壊してしまいます。モンキースパナなんてもってのほか。

 

こういうときにお勧めなのは当然インパクトレンチなのですが、一般的なエアインパクトは

 

  • コンプレッサー
  • エアツール

 

などが必要でしてなかなか購入に踏み切れません。また、小さいコンプレッサー(ビードブレーカーを使用しない、タイヤ交換のテクニック。で紹介しているような1万円クラスのもの)では、エアツールを数秒駆動させた時点でエア切れになってしまい、満足な作業ができません。まあコレはコレで、持ってるととっても便利なんですが。

 

こんな時に超お勧めで私が愛用しているのが「電動インパクトレンチ」、しかもコードレスではなくコードタイプです。

 


Meltec FT-50P(7599円)

 

こんなの。

 

大がかりなコンプレッサーもいりませんし100Vの電源さえあればいつでもどれだけでも使えます(充電式はあらかじめ作業前に充電しとくのがメンドクサイ)。

 

そして、大抵のドライブスプロケット(コレ、個人的に「サンデー整備」の最難関だと思っています)も外すパワーがあります。

 

 

あまりに固い場合はこれでも回らない場合がありますが、そんな時はバーナーで軽くナットを温めたりするとうまくいくようです。今回はバーナーを使わずにうまく外すことができました。

 


スイングアームを外して、ノーマルチェーンを外しましょう。

 

ここであえてのスイングアーム外し。やり方は「NINJA250SLのリアサスペンションをYSSに変更しよう!」の通りです。

 

もしサンダーをお持ちで、かつある程度の騒音が許される環境であればスイングアームを外さずともサンダーでばばっとチェーンを切ってしまえば(ただ切るだけならチェーンカッターも不要です)、スイングアームを取り外す必要もありません。

 

しかし、かなりの鉄粉が飛び散りますので私はそれを嫌い、急がば回れでスイングアームを外しました。

 

 

ノーマルのドライブスプロケットも外しちゃいましょう。


ドライブスプロケットを変更します。

 

ドライブスプロケット、ドリブンスプロケットともにISAのスプロケットに変更します。

 

ギア比を検討して、お好みのスプロケットを選んでください。私はISAを使用しましたが、サンスターやトリックスターが比較的入手しやすいようです・・・と思ったらトリックスターも中身はISAみたいですね。

 

ドライブスプロケットは、先ほど外した回り止めの板を挟んで新しい415対応スプロケットに変更するだけです。

 


TRICK STAR トリックスター/ドリブンスプロケット

TRICK STAR トリックスター/フロントプロケット Ninja250/Ninja250SL

 

ちなみに、回り止めの板を起こすときはマイナスドライバーではなく、ウォーターポンププライヤーを使用した方が上手くいきます。

 

 

工具箱に一つあるといいですね。荒っぽい仕事にはもってこいです。

 


クニペックス KNIPEX 8701-250 コブラ ウォーターポンププライヤー (BKJ)

 

こういう「力任せ工具」は、安物使っちゃダメですよ。怪我します。クニペックスなら間違いないです。私は安物使ってますが(笑


次、ドリブンスプロケット。

 

次、ドリブンスプロケットです。

 


TRICK STAR トリックスター/リアスプロケット

TRICK STAR トリックスター/リアスプロケット Ninja250/Ninja250SL

 

コイツは簡単ですね、セルフロックナットを外して取り換えるだけ。・・・ですが、ボルトの締め付けは対角線に、というのは常識ですね。

 

また、いわゆるスパナ(オープンエンド)ではなく、メガネレンチを使用して確実な取付を心がけましょう。セルフロックナットなので緩み止め剤は不要です。

 

ちなみに・・・先ほどご紹介した電動インパクトは「緩め専門」です。締め付けには使用しちゃいけません。オーバートルクでパーツを壊す可能性があるからです。


チェーンを取り付けましょう。

 

で、チェーンを通します。

 

プロのメカニックさんはノーマルチェーンをチェーンカッターで切り、そこへ新しいチェーンを繋いでくるくるっと見事な手際でチェーンを交換しますが、さっきノーマルチェーンは外しちゃった、しかたないので(笑)手をグリスまみれにしながら「RK GB415HRU」を通します。まあ、問題ありません。

 

通し終わったらコマを用意します。

 

 

結構細かいです。コマとふた(?)とシールが4枚入っています。落とさないように注意!

 

まず、コマの2本のシャフトにシールを入れます。

 

 

コマをチェーンに取り付けます。取り付けたらまたシールを入れます。

 

 

ふた(?)を取り付けます。コマと並行を保てば、指で押しただけで入ります。力任せに入れるようではいけません。

 

 

最後にクリップを入れます。そう、RK GB415HRUはクリップ止めなんです。回転方向にクリップの「又」が来るように配置し、はめ込んでラジオペンチでカチリとはめ込みます。

 


完成!

 

これでチェーンの取付は完了です。

 

あとはチェーンの張りを調整しましょう。初期のびがありますからタイト目に張りたくなりますが、チェーンの張り過ぎはスイングアームの動きを妨げます。そしてサーキットではリアのホイールトラベルをほぼ使い切ります。

 

ここは適正に調整し、走行ごとにこまめに伸びをチェック、チェーンの張り直しをしましょう。


ということで、驚異の低フリクションを楽しみましょう!

 

以上で全作業は完了です。

 

いかがでしょう?じっくりとあわてずに、そして工具をそろえればできない作業ではありません。

 

バイク屋さんにお願いすることはもちろん一番確実ですが、せっかくのレースマシンですから自分の手を汚してじっくりと付き合うのもまた、楽しいものです。

 

 

くれぐれも確実な作業を。自信がなければもちろん、プロに頼むべきですが、その時は作業を見せてもらいましょう!

使用した工具とパーツです。

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