NINJA250SLのリアサスペンションスプリングを強化してみよう・・・?
うーん。
一応、実践編として作業をしてみたのですが、正直このカスタマイズはあまりお勧めしません。なぜなら・・・よくなかったんです。
ただ、当然のことながらバイクは乗り手の体格と腕、そして走る状況によって求める形は異なります。ですから、私がよくなかった、と判断したとしてもご覧頂いてくださっているNINJA250SL乗りの方にはひょっとしたら、いいことあるのかもしれません。
とりあえずその手法について、ご説明いたします。
NINJA250SLに体重90kgの巨漢の私(笑)が乗車して筑波サーキットを走行して感じたのは、スプリングレートの不足でした。
プリロードを最大にかけても立ち上がりでフルボトムしてしまい、タイヤの剛性に頼った走りになってしまうのです。これでは安心して立ち上がりにスロットルを開けることができません。
本来であればサスペンションはスプリングとダンパーのセットで考えるものですから、サスペンションそのものをリプレイス製品に交換することを検討するべきです。が、今回は時間の関係で安直にスプリングレートのみを上げることにしてみました。
市販品からチョイスして、10%アップの製品を購入しました。
結果がアレでしたので、製品名とメーカーは伏せさせて頂きます(涙
馬を使ってリアを上げます。
通常、NINJA250SLのリアを整備のために上げる場合はレーシングスタンドを使用します。当たり前ですね。
が、スイングアームでリアを上げるレーシングスタンドをかけてしまうとリアサスペンションにテンションが掛かってしまいますから当然リアサスペンションを外すことはできません。
ノーマルですとここで結構苦労するのですが、もしあなたがすでに固定ペグのレーシングステップを投入しているのであれば、この固定ペグ(ステップ)に馬をかますことで簡単にリアを上げることができます。
NINJA250SLを傾け、片方ずつ慎重にかませば流石軽量なNINJA250SL、馬のセットは極めて容易です。
リアを浮かせたら、右側のフレームカバーを外します。
サーキットランを楽しまれる方はこのフレームカバーなんてとっとと外してしまっているかもしれませんが、私は転倒時の傷防止につけたままにしています(伏線??)。
リアサスペンションの固定ボルトを外します。
ね、フレームカバーを外すことで、リアサスペンションの上部ボルトにアプローチできます。
ここで使用するのはTレンチが好ましいかと思われます。
が、私はボルトを緩めるときにコイツを愛用しています。
EMERSON(エマーソン) 電動インパクトレンチ AC100V EM-230
電動インパクトレンチ。
え、インパクトレンチだったらやっぱりエアーじゃないの?って思いますよね。
でも、インパクトを回すためのエアーを確保するためにはかなり大きなコンプレッサーとサブタンクが必要なんです。そしてそのコンプレッサー、ほかに何に使います?エアブローやタイヤのビード出しにはエアツールを回せるコンプレッサーはデカすぎます。
ちなみに私が愛用しているエアブロー&タイヤビード出し用のコンプレッサーはこの程度の大きさ。
ナカトミ(NAKATOMI) オイルレスコンプレッサー CP-100
いわゆる、一万円コンプレッサー。「ビードブレーカーを使用しない、タイヤ交換のテクニック。」でご紹介したとおり、タイヤ交換にはこの程度のサイズで十分すぎます。
が、もしこのコンプレッサーにエアツールをつないでみるとどうなるか・・・
カカカカ・・・と数秒動いたらもう6リットルのエアはカラ。コココココ・・・とやかましい音でコンプレッサーが始動。ご近所に引け目を感じながら数分待ち、ようやくフルタンク。またエアツールを作動させると数秒でまたココココ・・・。
とてもじゃないですが「エアツールのエアー源」としては使えないんですね。
じゃあ、大きいコンプレッサー・・・は高い、嵩張る、うるさい。
ということで電動インパクト、しかも充電式ではない「有線(アンビリカルケーブル)式」電動インパクトレンチがお勧めなのです。
何しろ有線ですからパワーがあり、かつ継続します。作業中の電池切れ、イライラしますねー。そういうことが一切ありません。場合によってはバーナーによる緩み止めの焼き切りが必要になる場合もありますが、ドライブスプロケットを緩めるくらいのパワーがあります。しかも安い。
ということで、私は「緩め専用」として、優先電動インパクトレンチを愛用しているわけです。
話がずいぶんそれましたね・・・
上下のボルトを抜けば、リアタイヤを外さずにリアサスペンションを抜き取ることができます。
とまあ、いろいろ書きましたが結局は上下のボルトを抜くだけで、NINJA250SLはするっとリアサスペンションを抜き取ることができます。
とっても簡単ですね。
スプリングを交換します。
この方法はお勧めしません!
通常であればスプリングコンプレッサーを使用します。こういうのですね。
安いもの、高いものいろいろありますがモノショックを採用しているNINJA250SL、軽量マシンとは言いつつそのバネレートはツインショックマシンよりは硬いです。くれぐれも格安のヤワなものに手を出さないように。
で、私は・・・
油圧プレスで抜いちゃってます。
正直、バネがすぱーんと飛んで怪我しかねませんので真似はされないほうがよろしいです。やるなら自己責任でお願いいたします、真似をして怪我・機材破損を招いても私は一切責任を取りませんのであしからず。
何らかの方法でスプリングを縮めれば、皿形のプレートが外れます。これでスプリングがフリーになります。
強化スプリングをインストールします。が・・・
この時点でいやな予感はしていたんですよね。
このスプリング、ピッチがやたら細かいんです。皿を入れられるまでスプリングを縮めると、座屈してんじゃん・・・ストローク減ってない?
NINJA205SLにスプリング交換したリアサスペンションを戻し、完成です。
とりあえずこれでスプリング交換は完了です。
道具さえそろえておけば(そしてその道具も決して高価ではない)、比較的容易に作業を終わらせることができます。
あとは取り外しと逆の手順でスプリングを交換したサスペンションを戻して完成!です。
ところが・・・
ところが・・・この「スプリング交換済リアサスペンション」、動きがおかしい!
まだ調査と検証は終わっていませんが、スプリングが座屈してフルストローク使いきれていないのでは、と思われます。繰り返しますが検証前なので別の原因があるのかもしれませんが・・・
ノーマルスプリングを使用していた時とベストタイムでほぼ同等、アベレージタイムでは0.5秒以上も遅くなってしまいました。
乗り手の体格と技量次第だとは思いますが、このカスタムは失敗であったと考えます。
次回、かなり先になりますがナイトロンをインストールする予定です。これによってタイムがどうなるか、レポートいたしますのでご期待ください。
バイクって難しいっすね・・・
少々苦い結果とはなりましたが、以上本項完了です!